
スクラムマスター資格(PSM I)の教材を自分で作って合格を目指した体験記だよ!
自作の問題集アプリも公開しているから、ぜひ最後までチェックしてみてね!

合格しました
1. PSM I 試験とその挑戦について
1.1. PSM I 試験とは
PSM I (Professional Scrum Master™ I) は、スクラムの共同創設者であるケン・シュエイバー氏らが設立した Scrum.org が認定する、世界的に権威のあるスクラムマスター資格です。
具体的な試験概要は以下の通りです。
- 試験時間: 60分
- 問題数: 80問
- 合格ライン: 85%(68問正解が必要)
- 出題形式: 単一選択、複数選択、真偽判定
- 難易度: 中級(スクラムガイドの深い理解が必須)
60分で80問を解く必要があるため、1問あたり45秒というスピード感で、スクラムの理論に基づいて回答をしていく必要があります。
1.2. 日本語の教材が少ないという問題
非常に高い合格基準が設定されている一方で、学習環境には大きな課題がありました。2025年に日本語受験が解禁されましたが、日本語で利用できるアウトプット用、つまり問題演習を行える教材がほとんどない状態でした。Udemyなどの講座ではスクラム開発やアジャイル開発の概要説明はあっても、スクラムガイドに即した内容ものはなかったです。
スクラムガイドを読み込むインプットの作業は重要ですが、本番の設問に慣れるためには、数多くの問題を解いてアウトプットの機会を増やしたいなと思っていました。特に既存の公式模擬試験(Open Assessment)は30問程度で、繰り返し解くと内容を覚えてしまい、本番対策としては物足りなさがあります。
日本語の問題集がないのなら、AIを使って自分専用の試験対策アプリを作ってしまえばいいのではないか?ないのであれば作る、作りたいものを作っていくの精神で資格取得にあたってアプリを作りましたので、その体験を綴っております。
2. 学習データの収集フェーズ
2.1. アプリリリースまでの全体の流れ
ということで、教材がないのであれば、AI(NotebookLM / Gemini)の力を借りて自分専用の学習環境を構築しようと考えました。最終的なアプリ公開と合格まで、以下のような3つのステップで進めます。
- AI(NotebookLM / Gemini)を使って、大量の問題・正解・解説のセットを用意する
- そのデータをデータベースに格納し、アプリで解けるようにする
- 解きながら直すことで、AIのミスを自分の学びに変える
2.2. NotebookLMで試験問題を大量生成

まず、問題と回答というデータの作成のために Google の NotebookLM を活用しました。ソースとして、Scrum.org が公式に公開している Suggested Reading for Professional Scrum Master に掲載されている記事をNotebookLM にインプットしました。またスクラムガイド自体も別のプロジェクトとしてNotebookLM にインプットをし、大きく2つのプロジェクトでデータの準備を行いました。
NotebookLM の強みは読み込ませたソースのみに基づいて回答を生成するという点にあります。公式の推奨文献を直接与えることで、AI特有のハルシネーションを極限まで抑え込み、公式見解から逸脱しない非常に精度の高い問題を生成させることができました。
正しい/正しくない、単一選択、複数選択(x個選べ)という実際の試験形式を指定。さらに回答だけでなく、なぜその選択肢が正解/不正解なのかの詳細な解説をつけることで、最終的なアウトプット時にも復習ができるような状態にしました。
これにより、ただ答え合わせをするだけでなく、一問ごとにスクラムの原則を深く復習できる3点セット(問題・回答・解説)が大量に手に入りました。

2.3. Gemini (Deep Research) による補完
NotebookLM で作った堅実な問題セットに加え、Gemini の Deep Research 機能も併用しました。こちらは特定のソースに縛られず、世界中のWeb情報や英語圏の合格体験記、試験フォーラムなどの膨大な情報を横断的に調査し、より本番でありそうな引っ掛けのニュアンスを含んだ問題を抽出・生成してもらう意図があります。効果があったかはわかりませんが、プロンプトの中にソースを日本だけではなく海外もと加えて、既知の情報以外も取得するように心がけました。
公式文献の NotebookLM と、Web知見の Gemini。この2段構えにより、一通り大量の問題集が出来上がりです。
3. アプリ開発フェーズ
3.1. Vibe Codingで一気にアプリ化
開発には高度なコーディング知識を必要とせず、AIエージェント Antigravity と対話しながら作り上げる Vibe Coding という手法を取りました。スマホで見やすくして、間違えた問題だけ後で復習できるようにして、といった要望を伝えるだけで、最新のスタックを用いたアプリが数時間で形になります。

3.2. AI生成の課題を逆手に取った学習法
どれほど優秀なAIでも、生成された数千問の中には「問題文にうっかり答えが書いてある」「翻訳のニュアンスが微妙で回答が分かれる」といったケースが少なからず含まれます。また解説文が誤っているや、問題文と回答が一致していないケースも見受けられます。

普通ならAIが間違えている、使えないで終わるところですが、私はこれを学習チャンスと捉えて、問題や回答をブラッシュアップしつつ、自分の学習に充てるサイクルにしようと考えました。アプリに問題報告機能と修正管理画面を実装し、自分で解いていて違和感を感じた瞬間に、スクラムガイドの原文にあたって正誤を判定・修正するというフローを取り入れたのです。

このAIの回答はスクラムガイドの第何章に矛盾しているか?と批判的に分析する作業は、受け身で問題集を解くよりもアウトプット作業が増えるため、いつもより学習の定着につながったかなと思います。
4. まとめ
単なるAIでの効率化だけにするのではなく、AIをあえて学習の素材として扱い、その不完全さすらも学びに変えていきました(これがないのが楽なのではありますが笑)。

「教材がなければ自分で作る、AIのミスすら学びに変えて楽しむ!」そんなこだわりを持って走り抜けた結果、無事に合格を掴み取れたよ。
アプリも公開しているから、みんなの試験対策にも役立ててくれたら嬉しいな。一緒に合格を目指していこうね!