
スケジュールの作り方と管理技法をまとめて解説するよ!
クリティカルパスやガントチャートなど、
道具がたくさん出てくるよ。
概要
プロジェクトの目標達成に向けて、作業の計画・調整・管理を行い、納期通りに進めるためのプロセスです。 適切なスケジュール管理は、遅延やコスト超過の防止に直結します。
主な活動内容
マイルストーンの特定
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重要な節目や成果物の納期を明確化
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プロジェクト全体の進捗把握に役立つ
アクティビティの順序付け
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各作業(アクティビティ)の開始・終了の順序を決定
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依存関係(前提条件)を明確にすることで効率的な進行を実現
リソースの見積もり
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作業に必要な人員、設備、材料、時間などを見積もる
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適切な配分でスケジュールの実現可能性を高める
スケジュールの維持
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進捗状況を監視し、計画通りに進んでいるか確認
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遅れや問題があれば調整やリスケジューリングを行う
代表的なスケジュール管理ツールの特徴と使い分け
| ツール名 | 用途・特徴 | 分類・位置づけ |
|---|---|---|
| プロジェクトネットワーク図 | タスク間の順序や依存関係を最初から最後まで示す図の総称(親概念)。クリティカルパス分析に最適。 | 全体の親子関係における「親」 |
| PDM(プレシデンス・ダイアグラム法) | 長方形(アクティビティ)と矢印を使って依存関係を示す方式(子概念)。タスクの論理的順序や作業フローのみを視覚的に示すのに最適。 | ネットワーク図の一種 |
| PERT図(PERTチャート) | タスク順序、所要時間見積もり、依存関係、クリティカルパス、総所要時間、潜在的ボトルネックのすべてを確認するのに最適。 | ネットワーク図の一種 |
| CPM(クリティカルパス法) | 最長の依存関係を持つアクティビティ順序を決定し、プロジェクトの最短合計期間を算出する分析技法。 | ネットワーク図完成後に適用する分析手法 |
| ガントチャート | タスクを縦軸・時間を横軸の棒グラフで表示。タスク間の依存関係も表示可能で、詳細な計画や日々の進捗管理に最適。 | 独立したスケジュール管理ツール |
| 時間追跡ツール | メンバーがタスク完了までに「実際にかけた時間」を正確に測定するツール。 | スケジュール作成用ではない実績測定ツール |
見積もり手法(Estimating Techniques)
アクティビティの所要時間やコストを算出する代表的な手法。プロジェクトの段階や必要な精度に応じて使い分けます。
- 類推見積もり(Analogous Estimating / トップダウン見積もり): 過去の類似プロジェクトの実績を参考に見積もる手法。情報が少ない超初期フェーズで最も迅速に見積もれるが、精度は最も低い。
- パラメトリック見積もり(Parametric Estimating): 実績データと変数(面積、行数、台数など)の統計的関係を用いて算出する手法。精度は高いが、モデル構築に必要な詳細情報が揃わない初期段階には不向き。
- ボトムアップ見積もり(Bottom-up Estimating): WBS最下層のワークパッケージごとに見積もり、それらを積み上げて全体を算出する手法。最も精度が高いが、多くの時間と労力がかかる。
- 三点見積もり(Three-Point Estimating / PERT): 楽観値(O)・最頻値(M)・悲観値(P)の3点から期待値を算出する手法。計算式は (O + 4M + P) / 6。
- ファンクションポイント法(Function Point Method): ソフトウェアの機能(入力・出力・データベース数など)の数と難易度にポイントを付け、開発規模・作業量を見積もる手法。
フロート(余裕時間)とクリティカルパス
- トータルフロート(TF / Total Float / 全余裕時間): プロジェクト全体の完了日を遅らせずに、そのタスクを遅延できる余裕時間の合計。計算式は
最遅開始日(LS) − 最早開始日(ES)。 - フリーフロート(FF / Free Float / 自由余裕時間): 直後のタスクの最早開始日を遅らせずに、そのタスクを遅延できる余裕時間。影響範囲がプロジェクト全体(TF)か直後のタスクのみ(FF)かで区別します。
- 計算に用いる4つの日程用語:
- ES(Early Start / 最早開始日): そのタスクを最も早く開始できる日付。
- EF(Early Finish / 最早終了日): 最も早く完了できる日付(
ES + 所要期間)。 - LS(Late Start / 最遅開始日): 完了日を遅らせずに開始を遅らせられる限界日付。
- LF(Late Finish / 最遅終了日): 完了日を遅らせずに完了させられる限界日付。
- クリティカルパス(Critical Path / 最長経路): 開始から終了までで最も所要期間が長いタスクの連鎖。クリティカルパス上のタスクはTF = 0 かつ FF = 0であり、1日でも遅れると全体の完了日が遅れます。
スケジュール作成プロセス(時系列ステップ)
スケジュール作成は、以下の 時系列ステップ に沿って段階的に作成されます。
- アクティビティの定義: WBSのワークパッケージを達成するために必要な、具体的なアクティビティ(タスク)を洗い出します。
- アクティビティの順序付け: タスク間の論理的な依存関係(強制・任意・外部・内部)を明確にし、PDM(FS、SS、FF、SF関係)を用いてネットワーク図を描きます。
- アクティビティのリソース見積り: 各タスクを実行するために必要な人員、設備、資材の種類と量を見積もります。
- アクティビティの期間見積り: 各タスクの所要期間を見積もります(アジャイルではストーリーポイント、予測型では類推・パラメトリック・三点見積り等を使用)。
- スケジュール作成: クリティカルパス(トータルフロートがゼロの最長経路)を特定し、開始・終了予定日を設定したスケジュール(ガントチャート等)を作成します。必要に応じてスケジュール圧縮(クラッシング、ファストトラッキング)を行います。
- スケジュールのコントロール: 実績進捗とベースラインを比較・監視し、遅延が発生した場合は適切な是正措置を講じます。
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マイルストーン(トータルフロート/期間はゼロ、節目を示す)とアクティビティ(実作業)の違いを理解する。
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4つの依存関係の種類(FS、SS、FF、SF)を理解する。
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リソース見積もりがスケジュール(特にクリティカルパス)に与える影響を把握する。
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見積もり手法(類推=高速・低精度、ボトムアップ=高精度・高コスト、三点=不確実性を反映)の使い分けを理解する。
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トータルフロート(全体への余裕)とフリーフロート(直後タスクへの余裕)の違いを理解する。
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スケジュール遅延時の対応策(調整やリスケジューリング)を把握する
関連模擬問題
【問1】
質問: 次のうち、「あるタスクが完了してからでなければ別のタスクを開始できない」という依存関係の種類はどれですか?
選択肢:
- A. SF(開始-終了依存関係)
- B. SS(開始-開始依存関係)
- C. FS(終了-開始依存関係)
- D. FF(終了-終了依存関係)
回答と解説を見る
正解は C です。
解説: SF(開始-終了依存関係): SF(開始から終了)は、あるアクティビティは別のアクティビティが開始された後にのみ完了できる依存関係です。例えば、採用プロセスが開始された後にのみ新しい従業員を雇用できる場合、採用アクティビティが開始されるまで、雇用アクティビティを終了することはできません。
SS(開始-開始依存関係): SS(開始から開始)は、別のアクティビティを開始するとすぐにアクティビティを開始できる依存関係です。例えば、家の屋根葺きでは、屋根の板を取り付け始めるとすぐに、防水のためのタール紙を貼り始めることができます。
FS(終了から開始)は、別のタスクを開始する前にタスクを完了する必要がある依存関係です。2つのアクティビティは重複できません。例えば、部屋の塗装では、壁に下塗り剤を塗り、次のステップを開始する前に下塗り剤が乾くまで待つ必要があります。
FF(終了-終了依存関係): FF(終了から終了)は、別のアクティビティを完了する前に1つのアクティビティを完了する必要がある依存関係です。例えば、モバイルアプリを更新する前にWebサイトの更新を待つ場合、モバイルアプリの更新を終了する前に、Webサイトの更新を完了する必要があります。
【問2】
質問: ウェディングプランナーのPaigeは、土曜日の結婚式のスケジュールを立てました。会場のテーブルと椅子の設置(2時間)は11:00に始まり、ケータリングの準備(1.5時間)は12:00に始まります。この依存関係のタイプは、次のうちどれですか?
選択肢:
- A. FS
- B. SS
- C. SF
- D. FF
回答と解説を見る
正解は B です。
解説: FS: FSは終了から開始の依存関係を表していますが、この状況には当てはまりません。FSであれば、テーブルと椅子の準備が完全に終了してからケータリング業者が作業を開始する必要がありますが、そうではありません。
SSは開始から開始の依存関係を表しており、この状況に最も適しています。テーブルと椅子の準備が11:00に開始され、ケータリング業者の準備が12:00に開始されています。ケータリング業者は、テーブルと椅子の準備が完全に終わる前に作業を開始できますが、テーブルと椅子の準備が始まってからでないと作業を開始できません。これはまさにSS依存関係の特徴を示しています。
SF: SFは開始から終了の依存関係を表していますが、この状況には適していません。SFは一方のアクティビティが開始された後にのみ他方のアクティビティが終了できるという関係を示しますが、この状況ではそのような関係は見られません。
FF: FFは終了から終了の依存関係を表していますが、この状況には当てはまりません。FFは一方のアクティビティが終了する前に他方のアクティビティを終了できないという関係を示しますが、この状況ではそのような関係は見られません。
【問3】
質問: プロジェクトマネージャーは、スケジュール作成のためにタスクの優先順位付けをしようとしています。このときに参照する情報の組み合わせとして最もふさわしいものは、次のうちどれですか。
選択肢:
- A. タスクの依存関係、所要時間、先行作業の有無
- B. 割り当てたリソース、教訓、クリティカルパス
- C. 所要時間、先行作業の有無、クリティカルパス
- D. 割り当てたリソース、タスクの依存関係、コンティンジェンシー
回答と解説を見る
正解は A です。
解説: スケジュール作成の手順は、最初にWBS(Work Breakdown Structure:作業構成明細)を作り、タスクを洗い出した後、依存関係を整理し、所要時間を見積もります。次に、プロジェクト作業とは別の先行作業の有無等をもとにタスクの優先順位付けを行います。 クリティカルパスの決定やリソースの割り当ては、タスクの優先順位付けの後の手順で行います。 教訓はプロジェクトで得られた知識のことです。プロジェクトの終結段階では、今後のプロジェクト活動のための教訓をまとめることが重要です。 コンティンジェンシーは、コンティンジェンシー予備とも呼ばれ、リスクを考慮して設定される予備コストを示します。