
計画段階で作る文書や活動をまとめて解説するよ!
まずは計画づくりの全体像をつかんでね。
概要
プロジェクトをどのように遂行するかを具体的に定義し、成功への「設計図」を作成する段階です。
チームや関係者全体の共通理解を築き、リスクや混乱を最小限に抑えます。
リソースの割り当て(Resource Allocation)
-
必要な人的リソース・機器・予算などを見積もり、タスクに対して割り当て
-
役割ごとに必要なスキル・稼働時間などを定義
-
リソースマトリックスやガントチャートなどで可視化される
コミュニケーション計画(Communication Plan)
-
誰が・何を・いつ・どの手段で・誰に対して報告・連絡するかを定義
-
ステークホルダーごとに情報ニーズが異なるため、カスタマイズが必要
-
プラットフォーム例:会議、メール、チャット、レポート、ダッシュボード
範囲の定義(Scope Definition)
-
プロジェクトで「何をやるか」「何をやらないか」を明確化
-
スコープ文書(Scope Statement)を作成し、成果物や受け入れ基準を定義
-
スコープクリープ(無計画な拡大)を防ぐための基盤
スケジュールの作成(Schedule Development)
-
アクティビティの順序・所要時間・依存関係・マイルストーンを決定
-
WBS(作業分解構造)をもとに作業を整理
-
クリティカルパス法(CPM)を活用してプロジェクト全体の最短期間を算出
リスク評価の実行(Risk Assessment)
-
発生する可能性のあるリスクを特定し、分析して優先順位を付ける
-
リスク登録簿(リスク一覧+対応戦略)を更新
-
定性的分析・定量的分析の使い分けを理解
WBS(作業分解構成図)の設計ガイドライン
WBSはプロジェクトの全作業範囲を階層的に細分化した図です。
- 成果中心(Deliverable-oriented): WBSはタスク(どのように行うか)ではなく、「成果物(何を作るか)」に焦点を当てて計画します。高度なスキルを持つチームメンバーに対し、具体的な作業手順をマイクロマネジメントする必要がない状況で非常に有効です。
- ワークパッケージ(Work Package): WBSの最下層の要素で、通常「8〜80時間の範囲」で完了できる作業量を目安に細分化されます。
WBS と プロジェクトバックログの比較
予測型(ウォーターフォール)と適応型(アジャイル)では、範囲管理のツールが異なります。
| 項目 | WBS(ワークパッケージ) | プロジェクトバックログ |
|---|---|---|
| 主なフォーカス | 活動・作業工程と全体スコープの網羅 | 成果物(提供価値)のリスト |
| 変更への柔軟性 | 変更手続き(CCB等)が必要で柔軟性は低い | 定期的なリプランニングで容易に変更可能 |
| 制約の前提 | 範囲(スコープ)を固定し、時間とコストを見積もる | 時間とコストを固定し、範囲を柔軟に調整する |
| アジャイルの最小単位 | (最下層はワークパッケージ) | ユーザーストーリー(User Story) に相当 |
- ユーザーストーリー(User Story): バックログの構成要素であり、顧客に届ける価値を短い文章で表現したアジャイルにおける最小の作業・成果物単位。
- WBSの設計は「活動・手順」ではなく「成果物(結果)」に基づいて計画される。
- バックログは時間とコストを固定し、スコープ(範囲)を柔軟に変更・調整できる特徴を持つ。
関連模擬問題
【問1】
質問: 「プロジェクトバックログ」と「WBS」の違いとして正しいものは、次のうちどれですか?
選択肢:
- A. プロジェクトバックログはWBSよりも簡単に変更に対応できる
- B. これらすべて
- C. プロジェクトバックログは成果物に焦点を当て、WBSは活動に焦点を当てる
- D. プロジェクトバックログはアジャイルセレモニーを利用して時間とコストを固定するが、WBSは固定された範囲、時間、コストを想定している
回答と解説を見る
正解は B です。
解説: プロジェクトバックログはWBSよりも簡単に変更に対応できる: プロジェクトバックログはWBSよりも柔軟で、変更に対応しやすくなっています。これにより、プロジェクトの進行中に要件や優先順位の変更があった場合でも、比較的容易に対応することができます。
これらの違いは全て重要で、プロジェクト管理手法の選択に影響を与えます。プロジェクトの性質や要件に応じて、適切なアプローチを選択することが重要です。
プロジェクトバックログは成果物に焦点を当て、WBSは活動に焦点を当てる: プロジェクトバックログは成果物に焦点を当て、WBSは活動に焦点を当てています。これは重要な違いの一つです。
プロジェクトバックログはアジャイルセレモニーを利用して時間とコストを固定するが、WBSは固定された範囲、時間、コストを想定している: プロジェクトバックログはアジャイルセレモニーを活用して時間とコストを固定しますが、WBSは固定された範囲、時間、コストを前提としています。この違いにより、プロジェクトの管理アプローチが大きく異なります。
【問2】
質問: プロジェクトマネージャーのAngelは、作業を8〜80時間で完了可能な単位まで分解し、それぞれが明確な成果物となるようにする、という方針に基づいてWBS(作業分解構造)を作成しています。このとき使用しているWBSのガイドラインは、次のうちどれですか?
選択肢:
- A. 責任のレベル
- B. 結果に基づいて計画を立てる
- C. MECE
- D. 100%ルール
回答と解説を見る
正解は A です。
解説: 責任のレベルは、Angel が使用している WBS ガイドラインに最も適しています。責任のレベルには、作業要素の詳細レベルを適切に設定することが含まれます。問題文で述べられているように、Angel は作業を 8 ~ 80 時間で完了し、測定可能な成果物が得られるように細分化することに重点を置いています。これは責任のレベルの特徴と一致しています。
結果に基づいて計画を立てる: 結果に基づいて計画を立てることは、この状況には適していません。この方法は成果物に焦点を当てていますが、作業時間や細分化のレベルについては言及していません。
MECE: MECEは、このコンテキストでは関連性がありません。MECEは測定可能な具体的な目標を設定することに関するものですが、WBS の作成方法については言及していません。
100%ルール: 100% ルールも、この状況には適していません。100% ルールは WBS が親要素のすべての作業を含むことを確認するためのものですが、作業の細分化レベルや時間の範囲については言及していません。