Lchiki-Lab

PSM I ・ 出題項目 5.1

ファシリテーションとコーチング

Cookie Cat

ファシリテーションとコーチングを学ぶよ!

スクラムマスターの実践的な振る舞いが問われるよ。

スクラムマスターが状況に応じて使い分けるスタンス(ファシリテーション、コーチング、ティーチングなど)と、自己管理チームを育てる支援のあり方について解説します。

スクラムマスターの​スタンス

スクラムマスターは「真のリーダー」として、状況に応じてさまざまなスタンス(立ち位置)を使い分けます。代表的なスタンスの違いは次のとおりです。

スタンス内容使いどころ
ティーチング(Teaching)スクラムの理論やルールなど、知識を直接教えるチームがスクラムの基本を知らない導入初期
ファシリテーション(Facilitation)中立の立場で場と対話のプロセスを支援し、グループが自ら結論に到達できるようにするイベントや議論が停滞・発散しているとき
コーチング(Coaching)答えを与えず、問いかけによって相手自身が答えと成長を見つけることを支援するチームや個人が自分たちで問題を解決できる力を育てたいとき
メンタリング(Mentoring)自らの経験や専門知識を共有し、相手の成長を長期的に支援する経験の浅いメンバーや他の役割の育成
  • どのスタンスを取るべきかは状況によって決まる。常に教える(ティーチング)だけではチームの自己管理が育たず、常に見守るだけでは必要な知識が伝わらない。

自己管理チームを​育てる​支援

  • スクラムマスターの支援の目的は、チームが自己管理できるようになることである。答えを直接与えるのではなく、オープンクエスチョンやアクティブリスニングを活用して、当事者たちが解決策を見出せるように支援する。
  • 意見の対立や技術的な論争が起きた場合も、特定の個人や外部の権威に裁定させるのではなく、開発者全体を巻き込んだ議論を促す。
  • チームが必須のスクラムイベントを省略しようとした場合(例: レトロスペクティブは不要だという判断)、スクラムマスターはスクラムを確立する責任に基づき、イベントが価値ある場になるようファシリテーションやコーチングで支援する。自己管理の尊重は、スクラムのルールを破ることの容認を意味しない。
  • スクラムマスターがデイリースクラムなどで何も発言せず観察に徹することも、チームの自立を促す適切な振る舞いになり得る。
試験対策ポイント
  • ファシリテーションは「中立的なプロセス支援」、コーチングは「問いかけによる引き出し」、ティーチングは「知識の伝達」。シナリオ問題では、チームの成熟度と状況からどの支援が適切かを判断させる。
  • 「チームが自分たちで決められるように支援する」選択肢が原則として正解に近い。スクラムマスターが自分で決める、外部に裁定を委ねる、管理者に報告するといった選択肢は誤りのことが多い。
  • 必須イベントの省略をチームが決めた場合、「自己管理だから尊重する」は誤り。イベントの価値を理解してもらう支援が正解となる。
  • スクラムマスターはスクラムチームだけでなく組織にもコーチングを行う(スクラム導入の指導・トレーニング・コーチ)。

関連模擬問題

【問1】

質問: どの開発手法を採用すべきかについて開発者の間で意見が分かれた場合、スクラムマスターはどのような支援を行えますか。(2つ選択)

選択肢:

  • A. 特定の個人だけで決めず、開発者全体を巻き込んで議論を促す
  • B. オープンクエスチョンやアクティブリスニングを活用して、当事者たちが解決策を見出せるようコーチングする
  • C. 外部の技術エキスパートを呼び、どちらが正しいか裁定を下してもらう
  • D. 解決しない場合は、人事部門(HR)に相談して配置転換などを依頼する
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正解は A, B です。

解説: スクラムマスターは、チームが自己管理できるよう支援するコーチです。自分で答えを与えたり外部の権威に裁定を委ねたりするのではなく、チームが自分たちで最適な決定を下せる環境を整えます。

【問2】

質問: 新しく結成された開発者が「スプリントレトロスペクティブ(振り返り)」は不要だと判断しました。スクラムマスターの最も適切な対応はどれですか。

選択肢:

  • A. 生産的で有意義な振り返りが行われるよう、ファシリテーションやコーチングを始める
  • B. 自己管理型チームによる決定なので、その意見を尊重し、実施しない
  • C. チームの規律を守らせるため、上級職や管理者に報告して指示を仰ぐ
  • D. プロダクトオーナーに相談し、振り返りを実施するようチームに説得してもらう
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正解は A です。

解説: スクラムマスターは、スクラムガイドで定義されているスクラムを確立する責任があります。レトロスペクティブは必須のイベントであり、チームがその価値を理解し、効果的に実施できるよう支援するのがスクラムマスターの役割です。