
予測とリリース計画を学ぶよ!
バーンダウンやベロシティは「参考情報」という位置づけに注意!
経験主義に基づく予測の考え方と、ベロシティやバーンダウンチャートなどの補完プラクティスの位置づけ、リリース計画について解説します。
経験主義に基づく予測
- 複雑な環境下では、何が起きるかわからない。すでに発生したことだけが、将来を見据えた意思決定に使用できる。これがスクラムにおける予測の大前提である。
- 開発者は、過去の自分たちのパフォーマンス、今回のキャパシティ、完成の定義の理解を深めることで、スプリントの予測に自信が持てるようになる。
- 予測はあくまで予測であり、確約(コミットメント)ではない。開発者が確約するのはスプリントゴールである。
補完プラクティス
進捗の見通しを立てるために、次のようなプラクティスがよく使われます。いずれもスクラムの要求事項ではない補完プラクティスです。
| プラクティス | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| ベロシティ(Velocity) | チームが1スプリントで完了させた作業量(ストーリーポイントなどの合計)の実績値。次のスプリントのキャパシティを見積もる参考になる | チーム固有の値であり、チーム間の比較や個人の評価には使えない |
| バーンダウンチャート(Burn-down Chart) | 残りの作業量を時系列で示すチャート | スプリント単位やリリース単位で使われる |
| バーンアップチャート(Burn-up Chart) | 完了した作業量の累積を時系列で示すチャート | — |
| 累積フロー図(Cumulative Flow Diagram) | 各状態(未着手・作業中・完了など)にある作業量の推移を示すチャート | — |
| ユーザーストーリー / ストーリーポイント | 要求の表現形式や相対見積りの単位 | 広く使われているが、スクラムの必須要素ではない |
これらの有用性は証明されていますが、経験主義の重要性を置き換えるものではありません。
リリース計画と価値の獲得
- 価値が実際に獲得されるためには、プロダクトのリリースが発生しなければならない。リリースが早いほど、価値の獲得を早く開始できる。
- 完成の定義を満たしたインクリメントは、スプリント終了を待たずにリリースできる。リリースの時期と内容の判断はプロダクトオーナーが行う。
- スプリント期間中の残り作業を追跡する責任は開発者にある。
試験対策ポイント
- バーンダウンチャートやベロシティは「有用性は証明されているが、経験主義を置き換えない」「スクラムの必須要素ではない」という位置づけがそのまま問われる。
- ベロシティの増加は生産性の向上を示すが、成功の尺度ではない。スクラムにおける成功は価値で測る。
- 「すでに発生したことだけが将来を見据えた意思決定に使える」は経験主義の言い換えとして頻出。
- スプリント中の残り作業の追跡は開発者の責任(スクラムマスターやプロダクトオーナーではない)。
- ユーザーストーリーやストーリーポイントもスクラムの要求事項ではない。スクラムに含まれるものと補完プラクティスを区別させる問題が出る。
関連模擬問題
【問1】
質問: プロダクトオーナーはチームのベロシティの増加によって成功を測定できますか。
選択肢:
- A. はい、ベロシティは成功の主要な指標です
- B. はい、ただし品質が維持されている場合に限ります
- C. いいえ、ベロシティは生産性の指標であり、価値の指標ではありません。成功は価値(Value)で測定されます
- D. いいえ、スクラムでは測定を行いません
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正解は C です。
解説: スクラムにおける成功とは、既存のリソースで最大の価値を得ることです。価値が実際に獲得されるためにはプロダクトのリリースが必要です。ベロシティの増加は開発者の成熟を示しますが、それ自体は成功の尺度ではありません。
【問2】
質問: 進捗の見通しを立てるための「バーンダウンチャート」や「累積フロー」といったプラクティスについて、スクラムガイドはどのように述べていますか。
選択肢:
- A. スクラムでは必須の作成物であり、必ず更新しなければならない
- B. 経験主義の重要性を置き換えるものではないが、有用性は証明されている
- C. 複雑な環境下では役に立たないため、使用すべきではない
- D. プロダクトオーナーのみが使用を許可されている
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正解は B です。
解説: バーンダウン、バーンアップ、累積フローなど、さまざまなプラクティスが存在します。これらの有用性は証明されていますが、経験主義の重要性を置き換えるものではありません。複雑な環境では、すでに発生したことだけが将来を見据えた意思決定に使用できます。