
複数スクラムチームでの協働を学ぶよ!
共有するのはプロダクトゴール?
完成の定義?整理して覚えてね。
複数のスクラムチームがひとつのプロダクトで協働する場合に共有すべきもの・しなくてよいものについて解説します。
要点早見表
| 項目 | 複数チームでの扱い |
|---|---|
| プロダクトゴール | 共有する(プロダクトに1つ) |
| プロダクトバックログ | 共有する(プロダクトに1つ) |
| プロダクトオーナー | 共有する(プロダクトに1人) |
| 完成の定義 | 共通のものを作成し、全チームが準拠する |
| スプリントバックログ | チームごとに持つ |
| スプリントの開始日 | 同期は必須ではない(同期させる運用は可) |
共有すべきもの
複数のスクラムチームが同じプロダクトに取り組む場合、次のものを共有します。
- プロダクトゴール: ひとつのプロダクトにはひとつのプロダクトゴールがあり、すべてのチームが同じゴールに向かう。
- プロダクトバックログ: プロダクトには、チーム数にかかわらず1つのプロダクトバックログがある。チームごとに個別のバックログを持つと、開発者が何をすべきかの決定が難しくなり、透明性が失われる。
- プロダクトオーナー: プロダクトにはプロダクトオーナーが1人いる。チームごとに別のプロダクトオーナーを立てるのではない。
- 完成の定義: プロダクトに関わるスクラムチームが複数ある場合、共通の完成の定義を作成して、それに準拠する。組み合わせたインクリメント全体が価値ある有用なものになることを保証するためである。
共有しなくてよいもの
- スプリントバックログ: 各チームが自分たちのスプリントバックログを持つ。
- スプリントの開始日: 同じ開始日を持つことは必須ではない。効率のために同期させる運用は一般的だが、スクラムのルールではない。
- チーム間の作業の調整方法は、チーム自身が自己管理で決める。統合の順序や依存関係の解決を外部の管理者が指示するのではなく、チーム同士が直接コミュニケーションを取る。
チームの再編成
- スクラムチームが大きくなりすぎた場合は、同じプロダクトに専念した、複数のまとまりのあるスクラムチームへの再編成を検討する。その際も、同じプロダクトゴール・プロダクトバックログ・プロダクトオーナーを共有する。
- チームを追加した直後は、コミュニケーション経路の増加や環境整備のため、既存チームの生産性は一時的に低下することが多い(長期的には向上が期待できる)。
試験対策ポイント
- 「1プロダクト = 1プロダクトバックログ = 1プロダクトオーナー = 1プロダクトゴール」。チームが何チームあっても変わらない。
- 複数チームでは共通の完成の定義が必要。「各チームが独自の定義を使い、違いを明確にすればよい」は誤り。
- スプリント開始日の同期は必須ではない。「必ず同期させる」という選択肢に注意。
- チームへの人員追加・チーム追加の即時の影響は生産性の低下。「すぐに生産性が上がる」は誤り。
- 複数チーム間の調整も自己管理が原則。調整専門の管理者やリーダーを置くという選択肢は誤りのことが多い。
関連模擬問題
【問1】
質問: 多くのスクラムチームが1つのプロダクトに取り組んでいるとき、完成の定義としてもっともふさわしいものは何でしょうか。
選択肢:
- A. すべてのスクラムチームは、組み合わせたインクリメントを価値があり有用なものにする完成の定義を用意しなければならない
- B. 一概には言えず、場合による
- C. 各スクラムチームは独自の定義を使用するが、他のすべてのチームにその定義を明確にし、違いがわかるようにしなければならない
回答と解説を見る
正解は A です。
解説: インクリメントは価値があり有用でなければなりません。多くのスクラムチームが1つのプロダクトに取り組んでいる場合、共通の完成の定義を作成し、それに準拠することで、組み合わせたインクリメント全体の品質と透明性を保証します。
【問2】
質問: 同じプロダクトに取り組む複数のスクラムチームは、同じスプリント開始日を持たなければならない。この記述は正しいですか。
選択肢:
- A. 正しい
- B. 正しくない
回答と解説を見る
正解は B です。
解説: スクラムは、すべてのチームに同じスプリント開始日を強制しません。効率性のために同期させる運用は一般的ですが、スクラムのルールではありません。共有が必須なのは、プロダクトゴール・プロダクトバックログ・完成の定義です。