
スクラムチームの特徴を整理するよ!
「自己管理型」と「機能横断型」がキーワードだよ。
スクラムチームの構成、自己管理と機能横断という2つの本質的な特徴、およびチームの規模と責任について解説します。
3つの責任の全体像
この章で学ぶ3つの責任(アカウンタビリティ)の全体像です。詳細は 2.2〜2.4 の各節で解説します。
| 観点 | 開発者 | プロダクトオーナー | スクラムマスター |
|---|---|---|---|
| 人数 | 複数人 | 1人 | 1人 |
| 中核となる責任 | 各スプリントで利用可能なインクリメントを作成する | プロダクトの価値を最大化する | スクラムを確立させ、スクラムチームの有効性に責任を持つ |
| 主な活動 | スプリントバックログの作成 完成の定義の遵守による品質の作り込み 毎日の計画の適応 専門家としての相互責任 | プロダクトゴールの策定と共有 プロダクトバックログアイテムの作成・伝達・並び替え プロダクトバックログの透明性確保 ステークホルダーの関与 | スクラムチーム・プロダクトオーナー・組織の3方向への支援 障害物排除の働きかけ イベントの開催とタイムボックス遵守の支援 |
| 象徴するキーワード | 自己管理、機能横断 | 1人の人間(委員会ではない)、決定の尊重、説得の窓口 | 真のリーダー(ボス・司会者・書記ではない) |
スクラムチームの構成
- スクラムチーム(Scrum Team): スクラムの基本単位となる小さなチーム。スクラムマスター1人、プロダクトオーナー1人、複数人の開発者で構成される。
- スクラムチーム内には、サブチームや階層は存在しない。一度にひとつの目的(プロダクトゴール)に集中している専門家が集まった単位である。
- スクラムが定義する責任(アカウンタビリティ)は、開発者・プロダクトオーナー・スクラムマスターの3つのみ。プロジェクトマネージャー、テスター、アーキテクトといった役割はスクラムには存在しない。
自己管理と機能横断
- 自己管理型(Self-Managing): 誰が何を、いつ、どのように行うかをスクラムチーム内で決定すること。スクラムガイド2020年版で「自己組織化(誰が・どのように)」から「自己管理(誰が・どのように・何を)」に変更された。
- 機能横断型(Cross-functional): 各スプリントで価値を生み出すために必要なすべてのスキルをチームとして備えていること。メンバー全員が同じスキルを持つという意味ではない。
チームの規模と責任
- スクラムチームは、敏捷性を維持するための十分な小ささと、スプリント内で重要な作業を完了するための十分な大きさがあり、通常は10人以下である。小さなチームのほうがコミュニケーションがうまく、生産性が高い。
- チームが大きくなりすぎた場合は、同じプロダクトに専念した、複数のまとまりのあるスクラムチームへの再編成を検討する。その際、同じプロダクトゴール、プロダクトバックログ、プロダクトオーナーを共有する。
- スクラムチームは、ステークホルダーとのコラボレーション、検証、保守、運用、実験、研究開発など、プロダクトに関して必要となり得るすべての活動に責任を持つ。
- スクラムチーム全体が、スプリントごとに価値のある有用なインクリメントを作成する責任を持つ。持続可能なペースで作業することにより、集中と一貫性が向上する。
試験対策ポイント
- スクラムチームの構成要素は「スクラムマスター1人、プロダクトオーナー1人、開発者」の3つ。プロジェクトマネージャーは存在しない。
- サブチーム(テストチーム、アーキテクチャチームなど)や階層を作ることは認められない。
- 機能横断型は「チーム全体として必要なスキルを備える」こと。個人単位ではなくチーム単位の性質である点に注意。
- 自己管理の対象は「誰が・どのように・何を」。2017年版の「自己組織化」との違い(「何を」が加わった)を問う問題がある。
- 通常は10人以下という数字と、大きくなりすぎたら「同じプロダクトゴール・プロダクトバックログ・プロダクトオーナーを共有する複数チームに再編成」という対処をセットで覚える。
関連模擬問題
【問1】
質問: スクラムチームが「機能横断型(Cross-functional)」であるとは、どういう意味ですか。
選択肢:
- A. チームメンバー全員が、まったく同じスキルセットを持っていること
- B. チームは組織の他の部門(営業やマーケティングなど)の業務も兼務していること
- C. チームとして、各スプリントで価値を生み出すために必要なすべてのスキルを備えていること
- D. チームメンバーがプロジェクトマネージャーの指示に従って動くこと
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正解は C です。
解説: スクラムチームは機能横断型で、各スプリントで価値を生み出すために必要なすべてのスキルを備えています。これはチーム全体としての性質であり、全員が同じスキルを持つことを意味しません。
【問2】
質問: 正しいか正しくないか。スクラムには「プロジェクトマネージャー」と呼ばれる役割があります。
選択肢:
- A. 正しい
- B. 正しくない
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正解は B です。
解説: スクラムチームには、スクラムマスター、プロダクトオーナー、開発者がいます。チーム全体として、必要なすべての管理機能を備えており、プロジェクトマネージャーという役割は存在しません。